StandXは、何を設計しているのか ~ SIPから読み解く、Perps DEXの先にある市場設計 ~

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― SIPから見える設計思想 ―

7-Day Technical Research Series

StandXを調べ始めたとき、私が見ていたのはPerps DEXでした。

Block Trade、Position Yield、DUSD、Block Options。

公開されているSIPを一つずつ追えば、StandXに何が追加されてきたのかは分かります。

しかし、7日間の調査で私が知りたくなったのは、機能の一覧ではありませんでした。

なぜ、これらを設計するのか。

そして、

StandXは、市場のどこまでを「設計できるもの」として捉えているのか。

SIP-1からSIP-5Bまでを追うと、仕様の対象は取引の実行方法だけに留まりません。

ポジションが持つ経済的な性質。 プロトコルで生まれた価値の流れ。 市場形成。 流動性とインセンティブ。 そして資本。

もちろん、これらを並べただけで、一つの設計思想が存在すると結論づけることはできません。

SIPの公開順が設計の発展順だとも限らない。現在WIPの提案もあり、StandXの完成形もまだ分かりません。

だから、この調査では最初に答えを決めませんでした。

公開されているSIPと公式資料から確認できる事実を一つずつ追い、その時点でどこまで言えるのかを検証する。

そして7日目に、初めてそれらを横断して考える。

すると、最初に持っていた問いそのものが変わりました。

「StandXで、次に何ができるようになるのか。」

ではなく、

「StandXは、次に市場の何を設計するのか。」

7日間で何を見て、なぜこの問いに辿り着いたのか。

SIP-1から順番に追っていきます。

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Day 1|StandXは「DEX」を作っているわけではない?

StandXは、Perpetual DEX(Perps DEX/無期限先物DEX)として知られています。

この認識は間違っていません。

現在提供されている主要なサービスもPerpetual取引であり、多くのユーザーもStandXをPerps DEXとして利用しています。

しかし、公開されているSIPを読み進めていく中で、私は一つの表現に目が留まりました。

“StandX is not just another Perps DEX.”

SIP-5に記された言葉です。

日本語にすると、

「StandXは、単なるPerps DEXではない。」

という意味です。

私は、この一文を読んだとき、思わず手が止まりました。

「なぜ、この表現だったのだろう。」

一般的なPerps DEXでは、性能や取引体験が主な訴求点として語られることが少なくありません。

それにもかかわらず、StandXはあえて「単なるPerps DEXではない」という表現を選びました。

もちろん、この一文だけでStandXが目指すものを結論づけることはできません。

事実として、StandXは現在Perps DEXを提供しています。

一方で、SIP-5には「単なるPerps DEXではない」という自己定義がある。

では、なぜ開発チームは、この言葉を選んだのでしょうか。

7日間の調査は、この違和感から始まりました。

Day 2|SIPはどのような順番で公開されてきたのか?

Day1で生まれた疑問の答えを考える前に、まずSIP全体を並べます。

現時点で公開されているSIPは、

SIP-1:Block TradeSIP-2:Position YieldSIP-3:DUSD Native Yield ExpansionSIP-4:Block OptionsSIP-5:Universal Markets Listing(進行中)  └ SIP-5A:Community Maker Yield  └ SIP-5B:Community Vaults

という構成です。

SIP-1からSIP-4までは、それぞれ個別の提案として公開されています。

一方、SIP-5には関連するSIP-5A、SIP-5Bが続きます。

ここで重要なのは、番号をそのまま「StandXの設計思想の発展順」と読まないことです。

SIPがこの順番で公開されたことは確認できます。しかし、なぜこの順番になったのかまでは、公開順だけから判断できません。

それでも、個々のSIPを横断して検証するための地図はできました。

では、その地図の最初に置かれているSIP-1から見ていきます。

Day 3|SIP-1「Block Trade」から見える最初の一歩

最初に公開されたSIPは、SIP-1「Block Trade」です。

名前だけを見ると、大口取引向けの機能追加に見えます。

しかし本文を読むと、単に「大口注文を可能にする」というだけではありません。

対象としてInstitutional participants――機関投資家などの大口参加者が想定され、大口注文に伴う市場価格への影響や執行品質という課題に対し、通常の注文とは異なる実行経路が提案されています。

Block Tradeによる約定は、

Last Trade Price、 Mark Price、 Funding Rate、 ローソク足、 Liquidation Trigger

などへ影響を与えないとされています。

つまり、新しい取引経路を作りながら、通常市場の価格形成からは切り離す。

しかし、すべてが独立しているわけではありません。

マッチング後には証拠金、レバレッジ、ポジション制限、Opening Lossなどのリスクチェックが行われ、条件を満たした取引はStandXのSettlement Engineによって決済されます。

ここで見えるのは、

新しい経路を作ることと、既存システムとの接続を両立させる設計です。

ただし、SIP-1本文には「なぜBlock Tradeが最初のSIPだったのか」は書かれていません。

後に公開されたSIP-5では、Universal Markets Listingの説明の中でBlock Trade(SIP-1)を起点とする構成が示されます。

SIP-1は単独の機能だったのか。

それとも、その後の仕組みへつながる最初の部品だったのか。

この時点では、まだ判断できません。

Day 4|SIP-2・SIP-3から見える設計の広がり

Block Tradeの次に公開されたSIP-2、SIP-3では、対象そのものが変わります。

SIP-2「Position Yield」が対象とするのは、ポジションです。

一定条件を満たしたポジションに対して、プロトコル手数料の一部を還元する仕組みが提案されています。

特徴的なのは、どのような方法でポジションを建てたかではなく、結果として保有しているポジションそのものを対象としていることです。

通常注文だけでなく、Block Tradeなど承認された実行経路で建てられたポジションも対象になります。

一方、Execution、Funding、Margin、Liquidationなど、既存Perpsの主要な仕組み自体を変更する提案ではありません。

続くSIP-3「DUSD Native Yield Expansion」で対象になるのは、さらに別の領域です。

Perpsで発生した手数料の一部をDUSD Yield Poolへ配分する仕組みが提案され、DUSDとPerpsの間に経済的な関係が定義されています。

ここまでを並べると、

SIP-1:執行フローSIP-2:ポジションSIP-3:DUSDと価値の流れ

と、仕様が扱う対象は変化しています。

私には、

執行フロー → ポジション → DUSD

へ設計対象が広がっているようにも見えました。

しかし、この順番が設計思想に基づくものなのか、実装上の優先順位なのかは分かりません。

ここでも、事実から先へ踏み込みすぎず、判断を保留しました。

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Day 5|SIP-4で見えてきた、新たな取引フロー

SIP-4「Block Options」まで来ると、過去のSIPとの関係がより明確になります。

Block Optionsは、SIP-1のBlock Tradeを置き換える仕組みではありません。

既に存在するBlock Tradeを利用し、その上へ新しい実行モードを追加します。

Version 1の対象は、既存ポジションのTake Profit(TP)とStop Loss(SL)に限定されています。

一般的なOptions MarketやArbitrary Strategyなどを対象とするものではありません。

さらに、

Reservation、 Reservation Fee、 Guarantee Deposit、 Execute、 Expiry

といった要素が新たに定義されます。

新しい仕組みは追加する。

しかし、利用できる既存構造は残す。

SIP-1とSIP-4の間では、後続仕様が過去の仕組みを明確に再利用する関係を確認できます。

またVersion 1では用途をTP/SLへ限定する一方、SIP本文では将来的なBlock Options Marketへの拡張可能性にも言及しています。

ここまでで、

分離する。残す。接続する。再利用する。

という読み方ができそうになってきました。

ただし、これだけなら一般的なソフトウェア設計でも見られるものです。

StandXの設計思想として語るには、まだ材料が足りません。

Day 6|SIP-5で見えてきた、市場を支える仕組み

そしてSIP-5。

ここで観察対象が大きく変わります。

SIP-5で提案されている「Universal Markets」では、新しい取引方法だけでなく、条件を満たした参加者がSponsorとして市場を立ち上げ、維持するための枠組みが示されています。

OracleやReward Vault、Shield Vaultなど、市場運営やリスク管理に関わる要素も現れます。

つまり、仕様の対象が個々の取引から、

市場をどう作り、どう支えるのか

という領域まで広がります。

そしてUniversal Marketsは、SIP-5A・SIP-5Bというchild SIPによって、さらに具体化されています。

SIP-5A「Community Maker Yield」で扱われるのは、流動性とインセンティブです。

実際にOrder Bookへ流動性を提供するMakerを評価し、報酬を分配する仕組みが定義されています。

さらにSIP-5Aでは、SIP-2・SIP-3で示されたfee-routingの考え方をOrder BookのMaker Yieldへ展開する関係も確認できます。

ここでも、過去の仕組みとの接続が現れます。

SIP-5B「Community Vaults」では、

Strategy VaultReward VaultShield Vault

という、異なる役割を持つ3種類のVaultが定義されます。

Community VaultsはUniversal Marketsの「capital layer」と位置づけられています。

SIP-5、5A、5Bを並べると、

市場形成 → 流動性 → 資本

までが仕様の対象になっています。

ただし、ここで線を引く必要があります。

公開情報から確認できるのは、こうした対象の広がりと、一部のSIP間に実際の接続関係が存在することです。

すべてのSIPが最初から一つの完成形を想定して作られたことまでは確認できません。

SIP-5自体もWIPです。

5A・5Bによって一部が具体化されている一方、Universal Markets全体の設計が完成したわけではありません。これはDay6公開稿でも明確に区別していた点です。

それでも、Day1からここまでを振り返ると、SIPが扱う対象は個々の取引機能から、市場形成、流動性、資本へと広がっていました。

ここでようやく、Day1の問いへ戻る材料が揃います。

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Day 7|StandXは、何を設計しているのか

7日間、StandXのSIPを追ってきました。

その結果、StandXの完成形が見えた――とは言えません。

しかし、別のものは見えてきました。

StandXは、市場を成立させるものを、一つずつ「設計できるもの」として捉えているのではないか。

これが、7日間の調査を終えた今、私が持っている仮説です。

取引の実行方法。 ポジションが持つ経済的な性質。 プロトコルで生まれた価値の流れ。 市場形成。 流動性とインセンティブ。 そして資本。

公開されたSIPでは、取引機能だけでなく、こうした異なる対象がそれぞれ仕様として扱われ、ときには既存の仕組みとの境界や接続まで定義されています。

最初から一枚の完成図が存在したのかは分かりません。

ただ、SIP-5群まで辿り着いたことで、Day1から見てきた個々の仕様が、私には少し違って見えるようになりました。

最初は、個別の機能に見えていた

SIP-1で扱われたBlock Tradeは、大口取引のための新しい実行経路でした。

通常のOrder Bookとは異なる経路を用意し、通常市場への影響範囲を切り分ける。一方、成立した取引はリスクチェックを経てSettlement Engineで決済されます。

新しい仕組みを作る。しかし、すべてを作り直すわけではない。

何から切り離し、どこで既存の仕組みへ接続するのか。

その関係までが仕様になっていました。

SIP-2ではPosition Yieldが登場します。

ポジションにYieldという新しい経済的性質を加える一方、Execution、Funding、Margin、Liquidationなど、既存Perpsの主要な仕組み自体を変更する提案ではありません。

SIP-3で扱われるのは、さらに別の対象です。

Perpsで発生する手数料とDUSD Yield Poolとの関係。

つまり、新しい取引方法ではなく、

プロトコルで生まれる価値を、別の仕組みとどう関係させるのか。

という経済的な接続です。

そしてSIP-4。

Block Optionsは、SIP-1のBlock Tradeを置き換えません。既に存在するBlock Tradeを利用し、その上に新しい実行モードを追加します。

ここまででも、一つの共通性は見えます。

分離する。残す。接続する。再利用する。

新しい仕様だけでなく、既存構造との関係まで定義している。

ただし、これだけならStandX固有の特徴とは言えません。既存システムへの影響を限定し、利用できる仕組みを再利用することは、一般的なソフトウェア設計でも見られます。

この7日間で本当に興味深かったのは、その先でした。

SIP-5まで来て、過去のSIPが違って見えた

SIP-5群では、市場形成、流動性、資本に関わる仕組みまで仕様の範囲に入ります。

Sponsor。 Oracle。 Maker。 Maker Yield。 そして、異なる役割を持つVault。

ここで焦点になるのは、単に「どんな注文を実行できるか」ではありません。

市場形成に関わる主体。価格参照の仕組み。流動性を供給する主体と、その行為に対する報酬。そして、異なる役割を担う資本。

取引そのものとは異なる要素まで、仕様の対象として現れています。

さらにSIP-5 / 5Aでは、SIP-2・SIP-3で示されたfee-routing principleを、Order Bookの流動性インセンティブへ接続する関係も確認できます。

SIP-5BではCommunity VaultsがUniversal Marketsの「capital layer」と位置づけられ、Strategy / Reward / Shieldという異なる役割を持つVaultが定義されています。

そしてSIP-5は、DUSD、Perps、流動性、Universal Marketsなどを異なるレイヤーとして整理し、それらを一つのmarket structure(市場構造)へ接続する構想まで示しています。

ここまで来て、私はSIP-1からSIP-4までをもう一度見直すことになりました。

Block Trade。Position Yield。DUSD Yield Poolへの価値の流れ。Block Options。

それぞれテーマは違います。SIP-5群とも同じではありません。

それでも横に並べてみると、取引の実行方法からポジションの経済的性質、価値の流れ、市場形成、流動性供給と報酬、資本まで、仕様が扱う範囲は「取引機能」という言葉だけでは捉えきれません。

そしてSIP-1とSIP-4、過去SIPとSIP-5 / 5Aのように、異なる仕様の間に関係を確認できる事例もあります。

ここまでは、公開されたSIPから確認できることです。

では、この事実を横断すると何が見えるのか。

ここからは、私の考察です。

市場を構成するものを「設計できるもの」として見る

私には、StandXのSIP群が、市場を一つの完成した機能として捉えていないように見えます。

Executionだけではない。

Position Yieldも、価値の流れも、流動性も、インセンティブも、資本も、それぞれが仕様の対象になる。

必要なら既存の仕組みを残し、必要な場所で接続し、新しい役割を加える。

私はそこに、

市場を成立させる複数の要素と、その関係を「設計可能なもの」として捉える姿勢

を感じます。

もちろん、個々の要素を仕様化することと、市場全体を意図どおり設計できることは同義ではありません。また、これがStandXだけに見られる独自性だとも言えません。このシリーズでは他のプロトコルとの比較を行っていないからです。

それでも、仕様の対象がExecutionからYield、価値の流れ、市場形成、流動性、インセンティブ、資本まで及ぶとき、すべてを個別の「機能追加」として読むだけでは足りない。

だから私は、もう一段踏み込みます。

StandXは、Perps DEXという製品だけでなく、その市場が機能するための条件まで設計しようとしているのではないか。

これはStandXチームが明文化した理念ではありません。すべてが当初から一つの思想で計画されていたのかも、SIPの公開順がその発展順なのかも分からない。SIP-5もWIPです。

一方で、SIP-5では複数のレイヤーを一つのmarket structureへ接続する構想そのものが公式文書に現れています。

つまり、「複数の要素を関係づけて市場を構成する」という読みは、著者がゼロから作った物語ではありません。

ただし、それをDay1からDay6までのSIP群に通底する設計思想として読むところから先は、私の分析です。

そして、この見方に立つと、SIPを読むときの問いが変わります。

「次に何ができるようになるのか」

ではなく、

「次は、市場の何を設計するのか」

です。

新しいSIPは機能追加の一覧ではなく、StandXが市場のどこまでを自らの設計領域として扱うのかを見る材料になります。

可能性は、設計図の外で試される

ここからは、さらに先の推察です。

この方向が続くなら、StandXが広げていくものは取引対象や機能の数だけではないかもしれません。

SIP-5群では、Sponsor、Maker、Vaultなど、取引行為そのものとは異なる役割が現れています。

ならば今後は、

何を取引できるのか

だけでなく、

誰が、どの役割で市場に関わるのか

も重要になる可能性があります。

市場形成。価格参照。流動性供給。インセンティブ。資本。

こうした要素を個別に仕様化し、その関係を組み立てていく方向が続くなら、市場の成立方法そのものに、より大きな設計自由度を持たせる可能性も考えられます。

Universal Marketsという構想を見るうえでも、私はここに注目しています。

ただし、設計自由度の大きさは、そのまま将来性を意味しません。

むしろ自由度が増えるほど、現実の市場で答えなければならない問いも増えます。

Makerへの報酬は持続するのか。 資本を担う主体は、どのリスクを引き受けるのか。 異なる主体の利害は噛み合うのか。 Oracleなどへの依存はどう機能するのか。 十分な流動性と資本は集まるのか。 そして、実際に使われるのか。

仕様書は、これらの結果まで保証してくれません。

市場を設計できることと、市場を成立させられることは別です。

だからこそ、この先は新しいSIPだけを読んでも足りない。

設計された仕組みがどう実装され、誰が参加し、どれだけ流動性と資本を引きつけ、実際の市場として機能するのか。

今回読み取った設計思想の価値は、最終的にはそこで試されることになります。

7日後、問いは変わった

このシリーズは、

「StandXは、本当に単なるPerps DEXなのか?」

という問いから始まりました。

7日間SIPを追った今、StandXに別の肩書きを与えることが答えだとは思いません。

私に残ったのは、別の問いです。

StandXは、どこまでを市場の設計領域にしようとしているのか。

今見えているBlueprintは、まだ完成していません。

最初から予定された一枚なのか、途中で拡張されてきたものなのかも分からない。

けれど、だからこそ次に見るべきものは明確です。

7日前、私はStandXで「次に何ができるのか」を見ようとしていました。

今は違います。

次に、市場の何を設計しようとしているのか。

そして、

その設計は、本当に市場として成立するのか。

事実と考察

■事実

公開されているSIPでは、Block Trade、Position Yield、DUSD Native Yield Expansion、Block Options、Universal Marketsに関連する市場形成・流動性・Vaultなど、異なる対象が仕様として扱われています。

SIP-1のBlock Tradeでは、通常市場への影響範囲と、既存のリスクチェック・Settlement Engineとの関係が定義されています。

SIP-2のPosition Yieldは、Execution、Funding、Margin、Liquidationなど既存Perpsの主要な仕組み自体を変更する提案ではありません。

SIP-3では、Perpsで発生する手数料とDUSD Yield Poolとの関係が仕様対象となっています。

SIP-4のBlock Optionsは、SIP-1のBlock Tradeを置き換えず、その上に新しい実行モードとして追加されています。

SIP-5 / 5Aでは、SIP-2・SIP-3で示されたfee-routing principleと、Order Bookの流動性インセンティブとの接続が確認できます。

SIP-5BではCommunity VaultsがUniversal Marketsのcapital layerとして位置づけられ、Strategy / Reward / Shieldという異なる役割を持つVaultが定義されています。

SIP-5では、DUSD、Perps、流動性、Universal Marketsなど複数のレイヤーを一つのmarket structure(市場構造)へ接続する構想が示されています。

SIP-5はWIPであり、現在公開されている情報からStandXの完成した最終アーキテクチャや、すべてのSIPが当初から一つの完成形を想定して設計されたことを確定することはできません。

■考察

著者はこれらを横断した結果、StandXのSIP群には、市場を構成する機能、経済的性質、価値の流れ、役割、流動性、資本などを個別に仕様化し、既存の仕組みとの関係を定義していく特徴が見えると考えます。

そこから、StandXは市場を一つの機能として捉えるのではなく、

市場を成立させる複数の要素と、その関係を設計可能な対象として捉えているのではないか

という設計思想を読み取りました。

この方向が続く場合、取引対象や機能だけでなく、市場形成、流動性供給、資本提供などの役割や、市場の成立方法そのものに設計の範囲が広がる可能性があります。

一方、設計対象や関与する主体が増えるほど、インセンティブ、依存関係、流動性、資本、リスクなど、現実の市場で成立させるべき条件も増えます。

市場を設計できることと、持続可能な市場として成立させられることは別です。

今回読み取った方向性が実際に成立するかは、今後のSIPだけでなく、実装、流動性、資本、参加主体、利用状況を通じて検証する必要があります。

以上は現在公開されているSIPから導いた著者の考察・推察であり、StandXが公表した将来計画や公式見解を示すものではありません。

※本記事はStandXが公開するSIP・公式ドキュメント等をもとに調査・分析した内容です。 考察部分は著者個人の見解であり、公式見解ではありません。

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